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Sandyくんとの大切な時間SUICA

私の家族

第一章(出会い) ―2006年8月

真夏の日差しが照りつける午後。仕事を終えて帰宅途中、普段と異なる人通りの少ない静かな道を一人で歩いていた時...かすかに聞こえる犬の鳴き声。少し先に目を向けると小さなペットショップが。透明な窓、誰かが私を呼んでる??? 思わずドアを開けて中に入った。
「かわいい犬が家族を探しています」とPOPに書かれ、その中に小さく体が丸まって、ボールのようになって寝ている子犬。それがサンディくんとの初めての出会いだった。
小さくてかわいいボール。守ってあげたい、何より家族にしてあげたい・・・。
前から犬を飼いたいと思っていたけど、なかなか実現せず時間だけが過ぎてしまい、、、今の私は犬を飼う能力があるのだろうか?社会人1年目。この子犬と私自身、二人を養う事が果たしてできるのだろうか?悩むこと10分、やっぱりまだ無理だ。もうお店を出よう。
ドアを開けると「クゥ~クゥ~」。もう一度、ボールを見ると、目を覚ましてじっと私を見てる。
やっぱり、、、家族にしよう。決めた!一人暮らしの私にとって、初めてのパートナーができた。

第2章(大切な家族)―2009年11月

サンディくんと私は家族になって、あっという間に3年の月日が経った。季節は次第に寒くなっていくなか、サンディくんと私との関係は冷めることを知らない深い絆で結ばれていった。
そんな時、彼氏と別れるという出来事があった。食べものが喉を通らないくらい毎日落ち込んでいた。仕事も空回りばかり、、、上司にも叱られて。。。
そんな時、サンディくんは静かに近寄って私をじっと見ている。私だけを見てくれている。
救われる思いがした...今の私に取って一番大切な家族だと改めて思い知った。

第3章(イチゴ大好き) ―2012年4月

今日は天気が良かった。会社の同僚とイチゴ園に行ってイチゴ狩りをする日だ。楽しみ♪
イチゴをたくさん摘んだ。サンディくん、実はいちごが大好き。こんなたくさんのイチゴ、サンディくんはどんな顔して食べるんだろう?
家に帰ってドアを開けるとサンディくんがいつもより大きな声で「ワンワンワン(お帰り)」。いつもより「ワン」が多い。しかも口元は既によだれが。もう匂いでばれたのかなぁ(笑)
サンディくんと一緒に新鮮なイチゴをもぐもぐ。おいしかった。本当に幸せな時間だった。
サンディくんも「最高にHAPPYだ」って言っているみたい。

第四章(歩行障害) ―2016年10月

サンディくん10歳。いつものルーティンで公園を散歩。でも、歩く速度が普段より遅いみたい。しばらく歩くと「ハァハァ」と息が荒い。少し前を歩いてサンディくんを見ると、私に向かって歩いてくる。けど、その姿はとても辛そう。なんか急に、不安と寂しさがこみ上げてきた。病院の診断は老化による歩行障害だった。

5章(永遠に生きる) ―2018年12月31日

今年最後の一日は、とても寒い日だった。
サンディくんが私の横に歩み寄り、いつものように横たわっていた。何も言わず、ただ静かに、、、この時が分かっているかのように、、、。

永眠(享年12歳)

辛い、悲しい。でも、これからも私の心の中で生き続けるサンディくん。
私はサンディくんを幸せにできたかな?
私はサンディくんからたくさん幸せをもらったヨ。
いつまでも一緒だよ、、、ありがとう。